NECから金星 ラグビー日本選手権V帝京大「強さの秘密」
「学生のレベルがトップリーグに近づいてきた」――。
大学ラグビー界の名将である帝京大・岩出雅之監督(56)が試合後のインタビューで胸を張った。
8日の日本選手権1回戦でトップリーグのNEC相手に31─25で勝利。大学生がトップリーグ勢を倒すのは05年度に早大がトヨタ自動車を破って以来、2度目の番狂わせだ。
大学選手権6連覇中の帝京大は、FW、BK合わせて4人の外国人選手を擁するNEC相手に一歩も引かない。FW戦も互角以上の戦いぶりで接戦を制した。
流主将が「最初のコンタクトで『やれる』という手応えを掴んだ」と振り返ったのは単なるはったりではなかった。
帝京大が大学ラグビー界の雄として君臨し続けているのは、練習やトレーニングに科学的メニューを取り入れているからだ。同大では医学部と連携してトレーニングメニューの作成や故障防止に努めている。選手は定期的に血液検査を受けて疲労度などを測定。はじき出されたデータを基にメニューを作成するなど、選手の状態やレベルに合わせた練習、トレーニングが行われている。FWだけでなくBKの選手も筋骨隆々な体つきなのは、栄養士の食事指導を受けているからでもある。
「技術はもちろん、フィジカル面でも即戦力になるのは帝京大出身の選手だけ」とはトップリーグ関係者だ。