びわ湖マラソンは最高4位…問われるペースメーカーの意味
いったい誰のためにやっているのか。
8月の世界選手権(北京)の代表選考会を兼ねた1日のびわ湖毎日マラソンは、ケニアのドゥング(26)が2時間9分8秒で優勝。聞き飽きた「日本人1位」は4位の前田和浩(33)。時計は2時間11分46秒だった。
今大会にも、1キロ3分で走るペースメーカー(PM)2人が30キロまでレースを引っ張り、2時間6分台の時計が想定されていた。初マラソンだった12年の同大会を2時間7分4秒で制したドゥングは、この日、「雨と風が強い今日のコンディションでは6分台は難しかった」と言ったが、終始自分のペースで走ることができればタイムは違っていたはずだ。
先月の東京マラソンでも、1キロ2分58秒を課せられたPMがいた。それでも2時間4分台の時計を持つケベデ(エチオピア)は、「もっと速く走れ」といわんばかりにPMの尻を何度も突っついていた。結局、自分のペースで走れず2時間7分58秒の8位と惨敗した。
記録を出すために、海外のレースで導入されたPMが日本でも見られるようになってから10年以上経つ。ある大会関係者は、「PMがいないとアフリカ勢が多いレースでは中盤ぐらいまでに先頭集団から日本人がいなくなってしまう。30キロからヨーイ・ドンでなければ、テレビの視聴率に影響する」という。