松井裕&安楽を蹴散らした 楽天・入野の「安月給」苦節7年
■月給10万円、オフは農園の手伝い
「セミプロ」の独立リーグでの月給はおよそ10万円。オフはアルバイトや高知県にある実家のみかん農園を手伝いながら生計を立てた。転機は救援から先発に転向した昨シーズンだった。直球とフォーク主体の投球スタイルでシーズン序盤から頭角を現すと、16勝を挙げてリーグ最多勝を獲得。年間MVPにも輝いたことで10月、ようやくプロへの切符を手に入れた。
2月のキャンプインから、ドラフト1位の安楽や、2年目の松井裕らと共に一軍メンバー(久米島班)としてスタートすると、彼ら以上のランニング量や投げ込みで首脳陣にアピールした。その姿勢と実戦での安定した投球、制球に大久保監督は「即戦力」と判断。これが指揮官に「松井裕セットアッパー転向」を決断させ、安楽に与えると思われた「先発枠」を白紙撤回させたともいわれている。
入団会見では、「ずっと『NPBに行く』という強い気持ちを持ってやってきた。この気持ちを忘れず頑張りたい」と話していたが、今やチームの軸になる可能性すら秘めている。