ヤ軍開幕候補のマー君につきまとう日本人投手の「離脱不安」
メジャー2年目にして開幕投手候補に挙がっているのが、ヤンキース・田中将大(26)だ。
エース左腕サバシアが昨年に受けた右膝手術の影響もあり、調整遅れは明らか。ここまで2試合に登板し、4回3分の2を3本塁打含む9安打6失点。一向に調子が上がらないことから、米メディアの多くも、オープン戦で好投を続ける田中を開幕投手に推している。
今季の田中はジラルディ監督から「32試合に登板して欲しい」とノルマを課されている。指揮官にエースの役割を求められていて、当然、負担も増す。
32試合に登板するには、年間を通じてローテを守らなければならない。エース中心のローテが組まれ、ほぼ中4日の登板間隔が守られる。立ち上がりが不安定だったり、調子が悪いからといって、簡単に降板はできない。指揮官はリリーフ投手を準備せず、エースをギリギリまで引っ張ることが多いからだ。落とせない試合だったり、展開によっては100球を超えても続投を命じられるケースは十分にあり得る。
これまでエース格として扱われた日本人投手は、いずれもシーズン途中に離脱している。メジャー通算123勝(109敗)を挙げた野茂(ドジャースなど)は00年、タイガースで開幕投手を務めたが、8月に右手中指の炎症で故障者リスト(DL)入り。レッドソックス・松坂(現ソフトバンク)は2年目の08年の日本開幕戦で登板し、5月に右肩回旋筋腱板の張りで戦列を離れた。野茂も松坂も開幕投手を任された年に初めてDL入りした。ドジャース・黒田(現広島)も09年のパドレス戦で大役を務めた直後に左わき腹痛で離脱を強いられた。
田中は昨年、右肘靱帯を部分断裂しているだけに、なおさら心配だ。