“ハイテンション”のイチロー 精神科医は「イメチェン」と分析
「自分の置かれた立場を客観的に考えていると思いますよ。冷静で将来を見渡せる人なので、これから自分の体にムチ打ってガムシャラにやって故障して引退に追い込まれるタイプではありません。悪く言えば計算高い人なんですが、先を見越した冷静さ、客観さがありますからね」
――かつてのスター選手がヤンキースでは控えに甘んじて、相当ストレスがたまったのではないですか?
「それは十分に考えられますね。ヤンキースでは控えに回り、肉体的なことなどを考えたと思いますよ。ストレスも抱えていたけど、さまざまなことを考える機会でもあったと思う。今季は球団や環境が変わったことで、自分の中の考えをギアチェンジしたのではないでしょうか。自分の野球人生の終盤に向けての身の施し方を考えるようになったと思われます」
――「応援して下さいとは言いません。応援してもらえる選手でいたい」「控えでいるつもりはない」などと強気な発言が目立つのは、自分を追い込んでいるからですか?
「そういうことではないと思います。はしゃいでいるのはイメージを変えようと考えているのでしょう。今までだったら、そうは言わない。どんな環境でも自分を卑下しない。イメージチェンジであり、ギアチェンジだと思いますね」