裏に大物の存在 バスケ協会トップに就く川淵氏“真の狙い”
「Jリーグ崩壊」などの著書があるスポーツライターの工藤健策氏がこう言う。
「Jリーグ初代チェアマンとして川淵さんには改革の旗手というイメージがあるが、私はそうは思いません。川淵さんによってJリーグは拡大政策が進み、93年の10チームから今のJ3制52クラブの大所帯になった。その結果、何が起こったか。試合のクオリティーが下がり、J2やJ3にはプロでありながら100万円、200万円に満たない年俸でプレーする選手がゴロゴロいるという格差を生んだ。日本の国土面積を考えれば明らかにキャパシティーオーバー。にもかかわらず、拡大政策を取ったのは、トップに君臨する自らの権益を広げ、守るためだと私は思っています。日本のスポーツ団体はそれぞれに競技者出身のボスが君臨していて民主主義が通用せず、当事者能力も自浄能力もゼロという団体が少なくない。今回のバスケはその典型ですが、川淵さんの会長就任はバスケに新たなボスを生むだけではないか。サッカーの世界で一丁上がりになりつつあった川淵さんに新たな食い扶持を与えるだけではないか。そんな気がしてなりません」
川淵氏がバスケ界の“救世主”になるとは限らないのだ。