巨人と敵地初3連戦 広島投手陣が「東京ドーム」を恐れぬ理由
■巨人打線低迷で自信
とはいえ、昨季の東京ドームでのチーム打率は.249。それほど打ってはいない。その代わり、投手陣が防御率2.81と踏ん張っていた。これが善戦の要因だ。広島のある投手が言う。
「これまではセのどこの投手も、狭い東京ドームで巨人相手に本塁打を打たれないよう、おっかなびっくり投げていた。こすったような打球でもスタンドに届いてしまうことがある。その結果、際どいところを狙い過ぎて四球。走者をためてドカンと一発を食らうのが巨人に負けるパターンだった。それが、巨人打線は昨年からずっと不振。投手コーチと『東京ドームの巨人戦でも基本的には(ストライク)ゾーンで勝負しよう』と話し合ったことがある。それに今の広島は若いチーム。選手に東京ドーム恐怖症はありませんよ」
原監督が本当に警戒しているのはこの投手力だ。広島のチーム防御率は2.31でリーグトップ。巨人は広島戦の打率が.223で中日戦の.219に次いで悪い。12日の先発を任される前田と野村に2敗ずつを喫し、大瀬良に1敗で計5敗。3人の巨人戦の防御率は、それぞれ0.43、2.08、2.42。「野球は投手力」は原監督の持論である。駒が揃う広島投手陣が、巨人だろうが東京ドームだろうが、臆せず向かってくることが何より嫌なのである。