月間MVPも 西武を牽引の“ウナギイヌ”秋山のバックボーン
「まだ小学生でしたが、その時は頭が真っ白というか。でも、小6で父がいなくなって何ができるかといえば、一生懸命野球をやることしかない。もともと父は僕をプロにしたいと思っていたので、その頃から父の夢でもあったプロを強く意識するようになりました」(秋山)
■愛情
肇さんの死後、一家を支えたのは元教員の母・順子さん(59)。秋山を産んでからは専業主婦だったものの、当時小6の翔吾に加え、小4の弟、小2の妹を育てるため、神奈川県内の中学校に非常勤講師として復職。女手一つで3人の子供を育てあげた。順子さんの口癖は「お金の心配はしなくていい。自分のやりたいことをやりなさい。食べたいだけ食べなさい」だった。
「貧乏というわけではなかったのですが、母は一人で大変だったと思います。それでもつらい顔を見せず、僕や弟、妹に均等に愛情を注ぎながら育ててくれた。僕が大学(八戸大)に進学した後は、スーツケースに食材を詰めて、わざわざ差し入れを持ってきてくれたりしたこともありました。感謝してもしきれません」
■ひとり親家庭支援