中畑さんの晩酌にお付き合いしながら新聞を読んだら熱が出た
あれは、巨人入団3年目の93年春の宮崎キャンプです。夜間練習を終えてヘトヘトになって宿舎の自室に戻ると、見計らったように内線電話が鳴りました。
「おう大介、ちょっとオレの部屋に来いよ」
当時、打撃コーチだった中畑清さんです。
この年から就任された中畑さんとはかれこれ22年の付き合い。好調DeNAを率いる今も、何かと目をかけていただいています。野球解説者として球場に取材に行けば、「なんでも聞いてくれ。おまえには借りがあるからな」と常にウエルカム。貸しなどつくった覚えはないのですが、
「評論家時代にやってた講演で、おまえの話をするのが一番ウケるんだよ。『元木は洋画を見ても、途中で誰が主役で誰が悪役か分からなくなっちゃうんです。字幕の漢字を全部飛ばして読んでるから』って。これがオレの講演の鉄板ネタ。大介にはずいぶん稼がせてもらったよ。ガハハハハ」
と、中畑さん。そういえば、若手時代に厳しく鍛えていただいた須藤豊元ヘッドコーチにも同じようなことを言われたことがあります。