「身長あきらめた」…パ新人王候補・オリ西野の“小兵の矜持”
「通常の練習が終わっても毎日、居残りでティー打撃をしていたことを思い出します。別の生徒に聞いた話では、その練習が終わってから、さらに自宅に戻ってお父さんとティー打撃、素振りを欠かさなかったようです。野球小僧そのものでしたね」
社会人時代のJR東日本・堀井哲也監督もこう話す。
「エリートではないから、泥くさいプレーをするタイプ。打撃センスがあって、思い切りのいいスイングをするから入社してすぐレギュラーで使いました。性格的にも体力的にも『持久力』がある。小柄だからプロではどうかなと心配していたんですが、3番なんて私が一番驚いています(笑い)」
■恩師も舌を巻く勝負強さ
5日時点でも得点圏打率は4割超え(.467)。チャンスにめっぽう強い。
「高校時代から重圧を力にしてしまう能力がありました。今でも覚えているのは西野が2年生の夏の大会5回戦でのこと。現在ロッテで活躍する唐川(侑己)擁する強豪・成田高と対戦する前に、1番打者だった西野に『オマエが唐川のボールをシンでとらえてヒットを打てばチームは乗れる。絶対に第1打席で打て!』とハッパをかけて送り出した。私は簡単に唐川のボールは打てないと思っていたのですが、西野は言葉通り唐川の直球をセンター前にはじき返した。この試合以外でも、重圧をかければかけるほど力を発揮した。当時からプレッシャーを楽しんでいる感もありましたから、プロで通用するのも当然だと思います」(森下監督)