有原が真価発揮の3勝目 日本ハムの“チーム方針”報われた

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 日本ハム有原航平(22)が9日、本拠地の巨人戦に先発。最速152キロの速球を軸に、6回3分の2を2安打1失点に抑えて3勝目(1敗)を挙げた。右肘に不安を抱えるだけに、今季の活躍は無理との憶測もあったが、プロ4戦目でいよいよ真価を発揮しつつある。

 こんなエピソードがある。昨年のドラフト前の話だ。

 日本ハムは早大の有原の実力を高く評価していた。問題は昨夏、軽井沢合宿で痛めた右肘の状態だった。秋のリーグ戦もほとんど投げていない。スカウト総出で調べ上げると、MRI検査で右肘靱帯付近に薄いカゲだか筋のようなものが写っていたことがわかったという。

 もし、靱帯が傷ついているようなら、ヤンキースの田中と同じ右肘靱帯部分断裂。場合によってはトミー・ジョン手術が必要になる。「最悪手術なら投げられるようになるまで1年かかるかもしれない」というのが球団が知恵を借りた医者の見立てだったらしい。

 日本ハムはそれでも有原を1位指名した。

「スカウトたちの評価は仮に1年間、棒に振ったとしても有原は指名する価値がある。ドラフト候補の中で力は抜けているというものだった。『素材はダルに匹敵する』という声も中にはあったと聞いています」とは日本ハムのあるOBだ。

 幸い入団後の検査でカゲや筋のようなものは確認できなかったとか。靱帯の部分断裂ではなかったようだが、キャンプの二軍スタートやデビューが5月にズレ込んだことも含め、球団がルーキーの扱いに慎重になったわけだ。

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