新国立アーチ建設費950億円 なでしこ強化になぜ使わない?
無用の長物と批判されるアーチと屋根だけで950億円もの建設費がかかる新国立競技場だが、カナダW杯で奮闘したサッカー女子日本代表の年間強化費はそのわずか500分の1である。
「2億円前後といわれていますからね。男子代表は20億円超。世界で結果を出し続けているにもかかわらず、男女格差は開く一方です。原資の大半になっているスポンサーからの拠出金が男子代表を目当てにしたものですから仕方ないとはいえ、女子は常に金銭的に汲々としているのが実情です」(サッカージャーナリスト)
日本代表といっても、なでしこメンバーの大半は年俸300万円前後。海外クラブでプレーしている選手も同じようなもので、海外強化指定選手に支給されるシーズン中1万円の日当でなんとか生活している。今回のW杯でMVP候補にノミネートされたDF有吉佐織(27)のように、アマチュア契約で所属クラブからの収入がなく、フットサル場の受け付け業務をしながらプレーしている選手もザラである。
そういう劣悪な環境に耐えながら、前回の11年のドイツW杯を制し、12年のロンドン五輪で銀メダルを獲得し、今回のカナダW杯でも決勝進出を果たして日本中を盛り上げたことを考えれば、スポーツ振興基金を際限なくつぎ込んで建設する新国立競技場などいよいよ許しがたい。
アーチも屋根もいらないから、その一部でもなでしこの強化に使った方がはるかに有意義である。