平井監督はもう懸念…世界水泳金メダリストの“落とし穴”
「不安なのは先に(五輪出場が)内定したことによる油断、慢心です。本人たちにおごりがなければ大丈夫だとは思いますが、ただ、今回は楽なレース(種目)で金メダルが取れたのも事実です。星も渡部も前回大会(13年、スペイン・バルセロナ)の優勝者に比べてタイムが落ちている。個人メドレーにしてもフェルプス(4分3秒84の世界記録保持者)、ロクテ(ロンドン五輪金)らがいなくなってレベルダウンしていますから」
渡部は得意とする200メートル平泳ぎで日本記録(2分20秒72)の更新を狙いながら2分21秒15に終わった。これは前回覇者のユリア・エフィモワ(ロシア)の2分19秒41にはるか及ばない。星にしても2分5秒56の優勝タイムは前回なら3位の2分5秒59をわずかに上回るタイムだ。瀬戸は4分8秒50の自己ベストを更新したとはいえ、ロクテがロンドン五輪でマークした4分5秒18と比べたら平凡なタイムだ。
いずれの種目でも海外のトップスイマーは五輪に照準を絞って調整してくる。前年の世界選手権覇者が五輪でメダルを逃すケースは珍しくないだけに、日本を代表するスイマーも安心できない。