山形・鶴岡東の佐藤監督に聞く 甲子園で東北勢躍進の理由
――仙台育英(宮城)の佐々木監督も同様に「情報網も発達し、強豪校がどんな試合、練習をしているのかが地元にいてもわかるようになった。物的な面も距離感がなくなった」と話していました。
「ははあ、距離感ですか……。聖光学院さん(福島)、八戸学院光星さん(青森)、盛岡大付属高校さん、花巻東さん(ともに岩手)などは甲子園でも勝ち続けています。練習試合が行える近隣県にそうした学校が増えていますので、甲子園強豪校というものが身近になっていることはあるかもしれません。その意味でも距離感は縮まっているのでしょう。といっても、ウチなどはまだまだですよ。東北大会などで戦っていて(選手が)萎縮することもあるくらいです。現在の東北地区は本当に強い学校ばかりですから」
■「仙台に楽天が来たのは大きい」
――他にも理由はありますか?
「05年に楽天が仙台に来たことも大きいのではないでしょうか。昔はプロ野球をじかに見ようと思ったら、それこそ東京まで出なければならなかった。地方での試合もありましたが、タイミングが合わなければそれまで、でしたから。今の子供たちはプロというものを、昔ほど遠くは感じていないのかもしれません」
――東北では以前よりも「プロになりたい」という子が増えているのですか?
「それはわかりませんが……私が子供の頃はプロというのは雲の上の存在。その距離が縮まったことはあるかもしれません。山形にも楽天の二軍が本拠地を置いていますからね」