山崎康「新人最多セーブ」の真価はDeNAのシーズン成績次第
20日のヤクルト戦。DeNAの守護神山崎康晃(22)が1点差の九回にマウンドへ上がると、球場全体から「ヤスアキ」コールが沸き起こった。記録を期待する本拠地の異様な雰囲気にのまれることなく、6番から始まるヤクルト打線を3人でピシャリ。亜大の先輩・与田剛氏(元中日)に並んでいたプロ野球新人最多記録を更新する32セーブ目を挙げ、「大きな記録を超えられ光栄」と笑顔を浮かべた。
「フォークのように落ちる決め球のツーシームに注目が集まるが、評価したいのはそのコントロール。チームの先輩である大魔神佐々木も中日の岩瀬にしても、決して高めに浮かない制球力があったからこそストッパーに君臨できた。スピード、決め球以上にこれが抑えの重要条件。山崎康にはその素地がある」(評論家の高橋善正氏)
ベテラン球界OBの中には、「Bクラス球団の守護神ほど無意味なものはない」と言う人もいる。基本的にセーブのつく場面でしかマウンドに上がらない抑えは、先発と中継ぎ、それに攻撃陣のお膳立てがあって初めて仕事になるポジション。勝ち試合にしか投げないから、弱い球団では登板機会自体も限られる。それじゃあ、チームへの貢献度はたかが知れている、というわけだ。