柔道女子78kg級で金 梅木真美は「牛の世話」でスタミナ培う
柔道にまた一人、新星が現れた。28日の世界柔道(カザフスタン・アスタナ)女子78キロ級を制した梅木真美(20=環太平洋大)である。
世界ランキング3位のベレンセク(スロベニア)との決勝は延長までもつれたが、最後は得意の寝技に持ち込んで横四方固めで畳に沈めた。今大会、男女合わせて5個目の金メダル。前日の男子81キロ級を制した永瀬貴規(21=筑波大)に続いて大学生が世界の頂点に立った。
梅木は熊本・阿蘇中央高2年時に世界ジュニア選手権を制して環太平洋大に進学。これまでシニアでの主要な国際大会での実績は14年グランプリ中国・青島大会で3位に入ったぐらい。今年4月の全日本選抜体重別では準決勝で敗退したが、今大会は将来性を見込まれて代表に選出された。一つ一つの技は粗削りながら、幼少の頃から実家(大分県九重町)が営む牧場で牛の世話で培ったスタミナは日本女子でトップクラスだ。
同階級は海外の有力選手が集う激戦区。世界選手権では03年大会に阿武教子が制したのを最後。五輪でも阿武が04年アテネで優勝して以来、表彰台にすら上がっていない。
世界の大舞台を制し、一躍、リオ代表の有力候補に浮上した。南條充寿・女子監督が「東京五輪世代でもある。体力や技術はまだまだ伸びる」と話す通り、今後はレベルアップを図れるか。