「日本は人情主義が行き過ぎ」 識者がプロ野球の“弊害”指摘
「最高で1300万ドル(約15億6000万円)を稼いだ松井氏はヤンキースのレギュラーとなり、09年には日本人初のワールドシリーズMVPになった。その年のオフにFAになった松井氏にしかし、ヤンキースは再契約のオファーを出さなかった。35歳という年齢がネックになったからです。その背景には若手優遇の考えがある。162試合と試合数が多く若手の方が故障の心配がないこと、メジャー3年目までは最低年俸(約6000万円)で使え、6年目まではFA権がない。7年目以降にFA権を行使して大型契約を結んだとしても、だいたい30代半ばで契約が終わるように線引きをしている場合が少なくない。いくら実績のあるベテランでも年齢と成績がシビアに判断される。メジャーには、名ばかりのロートルが入り込む余地はありません」
多少は強引でもそれがチームの新陳代謝を促し、ひいてはリーグの活性化につながる。
たとえば、通算269勝のジェイミー・モイヤー(フィリーズなど)は49歳まで投げ続けた。46歳シーズンの09年に12勝、翌10年に9勝を挙げるなど先発ローテで結果を残したが、10年オフの「トミー・ジョン手術」のリハビリを経て臨んだ12年はメジャー契約がかなわず、同年限りで引退している。
「中日の小笠原にしても『代打ならまだやれる』という声がある一方、メジャーなら巨人時代に故障と不振で成績がガタ落ちした11年、12年限りで引退していても不思議ではない」(前出の友成氏)
惜しまれて辞めるくらいの方が選手も幸せなはずである。