13勝目の阪神藤浪に江夏氏が課した「真のエース」の条件
チームを背負う気概がうかがえたのが、この日の阪神・藤浪だ。
中日打線を8回7安打、9奪三振で無失点に抑えると、守護神・呉昇桓につなぐ完封リレー。打線も少ないチャンスをものにして、チームの連敗は3で止まった。藤浪はハーラートップの広島マエケンに並ぶ13勝目。201奪三振はリーグ断トツ。シーズン前に「ノルマは180回」と言った投球回数にも残り1イニングとなった。
200以上の奪三振は、セ・リーグの日本人投手では04年の阪神・井川慶(228個・現オリックス)以来。だが、その井川に比べて投球回数はまだまだ物足りない。井川は01年から06年までの間に200回以上が4度。192回も1度(残りは172回3分の1)ある。
当時の星野、岡田両監督は中継ぎを休ませることができる左腕を高く評価していた。藤浪の投球回数は、13年137回3分の2、14年163回。今季は、200回に届く勢いだが、元阪神のエース江夏豊氏によれば、「今は昔とは時代が違う。エースは15ぐらい勝って、負けは10以下。220回以上投げる」という条件を出している。この数字をクリアしなければ、阪神のエースにはなれない。