レンジャーズ地区S先勝 投手陣充実で来季復帰のダルかすむ
4年ぶりにア・リーグ西地区を制したレンジャーズが8日(日本時間9日)、地区シリーズ初戦でブルージェイズと対戦。打線が相手先発のサイ・ヤング賞左腕プライスを攻略し、2本塁打を含む5安打で5点を奪って先勝した。
今季は右肘のトミー・ジョン(腱の修復)手術を受けたダルビッシュ有(29)を筆頭に主力投手陣に故障者が続出。ジェフ・バニスター新監督の手腕も不安視されたが、レギュラーシーズン終盤に快進撃を見せ、9月中旬に首位アストロズを捉えて逆転で地区優勝を果たした。
開幕前に懸念された先発陣は元広島のベテラン右腕ルイスがチームトップの17勝(9敗)、ブルワーズから移籍の右腕ガヤルドが13勝(11敗)を挙げた。補強も効果的で、7月末にフィリーズから移籍の左腕ハメルズが7勝(1敗)をマーク。メジャー2年目右腕のニック・マルティネスが24試合に投げて7勝(7敗)を挙げるなど若手の台頭もあった。
投手力が充実しているだけに、早ければ来年の5月に戦列復帰を果たすダルもうかうかできない。仮にチームが今季同様、ポストシーズン進出争いの輪に加わっても蚊帳の外に置かれる可能性もある。トミー・ジョン手術を受けた投手は復帰1年目に投球イニングを制限されるからだ。先発投手なら復帰1年目は150~180イニングが目安とされる。実際、レンジャーズでは12年7月に右肘にメスを入れたルイスは復帰1年目の14年はマイナーも含めて180.1イニングに制限された。
レンジャーズはダル獲得に再来年まで6年総額1億7500万ドル(約209億円)の巨費を投じただけに、来季のエース右腕はシーズン終了を前に休養を告げられる可能性もある。