32年ぶり五輪切符の水球男子はなぜ水連の“お荷物”に?
84年ロス大会以来、32年ぶりの五輪出場を決めた水球男子日本代表が昨21日、凱旋帰国した。
アジア選手権が行われた中国・仏山から羽田空港に降り立った一行が会見し、大本洋嗣監督(48)は開催国枠で出場できる20年東京五輪を前に「何としてでも自力で出たい気持ちが強かった。結果にほっとしています」と笑顔を見せた。
96年アトランタ、08年北京大会では「実力不足」を理由に日本水連がアジア地区予選への派遣を見送るなど、不遇の時が長かった。32年ぶりの五輪切符を勝ち取ったとはいえ、今でも水球を取り巻く環境は男女とも決して恵まれていない。
他のアマチュアスポーツのように実業団チームがなく、受け皿がないため、有望な大学生でも卒業後は競技を断念せざるを得ない。その後も競技を続ける場合、一般企業で働きながらクラブチームでプレーしている選手が大半だ。仕事をしながら、ナショナルチームに選ばれるだけの高いレベルのパフォーマンスを維持するのは難しい。そのため、今回の代表メンバー16人のうち、半数近い7人が大学生だ。水球が盛んでレベルの高い欧州を主戦場に選ぶ選手もおり、代表メンバーでは4人がハンガリー、セルビア、クロアチアのクラブチームでプレーしている。