G由伸監督も一目 元野球エリートが塾経営を始めた“原点”
教育現場を目の当たりにすると、新たな問題にも直面した。自身が育った時代との指導法の違いである。
「私は経営者なので、生徒の学習指導はプロの塾長や講師陣に任せています。でも、今の子供たちと接して感じるのは、可能性や未来を客観視して、すぐに夢を諦めてしまう傾向がある。昔はプロ野球選手になれなくても『近づけるよう頑張ろう』という子供が多かったのに、今はそういう子は本当に少ないし、『とりあえずやってみろ』という指導は受け入れてくれない。目的を明確にして、こういう効果があるという具体的な指導をしないと動かないのです」
桐蔭高時代の後輩に巨人の高橋由伸監督(40)がいる。昨オフ、不完全燃焼のまま現役を引退。原前監督から重責を引き継いだが、副島さんはそんな指揮官と今も交流をしている。
「春季キャンプの時に沖縄に行って少し話をしました。現役引退が突然だったので、心配していたのですが、本人はもう現役への未練は全くない、と。それにキャンプは松井(秀喜)さんのおかげで、自分への注目が減って本当に助かったと話してましたよ(笑い)。ただ、由伸は高校時代から自分中心ではなく、人を立てる優しい性格。自分からグイグイと引っ張っていく感じではなかったので。これからはいかに監督として厳しくなれるかでしょう。私自身もそうなんですけどね」