柔道52kg級中村美里 リオ最強の敵コソボ選手を専門家分析
08年北京で銅メダルを獲得し、平成生まれ初のメダリストとなって8年。中村美里(26)は、12年ロンドンでの初戦敗退に続いて3度目の五輪出場となる。
ロンドン直後に左膝前十字靱帯の再建術を行い長期離脱したが、13年11月の講道館杯に1年3カ月ぶりに出場。復活Vを果たすと、昨年8月の世界選手権では3大会ぶり3度目の優勝を飾った。
中村が臨む52キロ級で最大のライバルとなりそうなのがマイリンダ・ケルメンディ(24=コソボ)だ。13、14年の世界選手権を連覇。今年2月のグランドスラム・パリでは3連覇を果たした。IJF(国際柔道連盟)世界ランキング3位は中村の5位を上回る。
柔道ジャーナリストの木村秀和氏が言う。
「ケルメンディは中村と同じ左組みで、内股、大内刈りを得意としている。右で帯を掴んで隅返もでき、コンスタントに大会で勝てる安定感もある。中村とすれば、小外刈り、小内刈りの足技から体勢を崩して寝技に持ち込みたいところです」
ケルメンディの祖国コソボは、セルビアとの独立紛争の経緯もあり、リオから初めて五輪出場が認められた。そんなドラマも背中を押しそうだ。