今季防御率5点台…巨人“鉄人”山口の不調をOB投手分析
「軸足の左足に体重が乗らず、下半身に粘りがないのが全ての元凶です」
巨人OBで評論家の高橋善正氏がこう言った。8年連続60試合登板の鉄腕、巨人の山口鉄也(32)のことだ。
25日の広島戦。1点ビハインドの六回1死一、三塁のピンチで2番手として登板。1番・田中に145キロの直球を逆方向に運ばれると、打球は左翼スタンドに吸い込まれた。痛恨の3ランを被弾し、今季20試合目の登板で防御率は5.19となった。かつては0点台が当たり前だった鉄腕に何が起きているのか。広島のある選手はこう話している。
「ここのところの山口さんは、伝家の宝刀のスライダーがだいぶ投手寄りで曲がる。だからボール球にもバットが止まって見極められるんです。直球もいい時よりは遅くなっていますね」
冒頭の高橋氏が続ける。
「下半身に粘りがないとどうなるか。ステップした時に体の開きが早くなって球を早く離すことになる。球持ちが悪くなり、変化球の曲がりも手前になってしまう。球にスピンがかからないからキレもないという悪循環に陥る。原因は長年の蓄積した疲れ、左ヒジを故障した影響、30歳を超えた年齢的な衰え、全てが密接に関わっているのではないか。復活するためには、もう一度下半身をつくり直すしかありません」