必然の初戦敗退…フェンシング太田雄貴は燃え尽きていた
「五輪に対する覚悟がロンドンや北京に比べて弱かった気がしている。これで未練なく現役を引退できるかなというくらい、すっきりしている」
リオ五輪フェンシング男子個人フルーレで初戦敗退した太田雄貴(30)はこう敗因を語り、現役引退を明らかにした。
昨年の世界選手権で優勝し、世界ランク2位の太田に対して相手のトルド(ブラジル)は世界ランク66位。太田の楽勝かと思われたが、序盤でリードを許す。一時は逆転したが、13-12から3連続でポイントを失い敗れた。
太田は北京では個人で、ロンドンでは団体で銀メダル。ロンドン後には「引退するつもり」と剣を置いた。ところがその後、日本代表が低迷。「東京五輪に向けて自分が背中で引っ張る」などとリオ五輪を目指して競技に復帰したが、ドイツでのW杯(今年2月)で団体での出場権獲得に失敗。帰国後には失意からか、休養を取った。
五輪は4年間の血のにじむような練習、鍛錬の集大成。「引退」「休養」などを繰り返してメダルに届くほど甘くはなかったのである。