早実戦“清宮対策”の反響は? 八王子・安藤監督に聞いた
――清宮を敬遠したときは、ヤジが飛んできませんでしたか?
「試合後に記者さんから『スタンドからヤジが飛んでいた』と聞かされましたが、私は聞こえませんでしたし、先発した早乙女も『ヤジがあったんですか?』という感じであの時はわかりませんでした。それだけ集中していたと思います」
――周囲は清宮の甲子園を期待する声が多かった。学校に抗議電話が来たりしませんでしたか?
「それもありません(笑い)。早実に勝ったことで気が抜けてしまうことが心配でした。いろんな方が『早実に勝ったからこれで甲子園だ!』と応援してくれました。ただ、それで勝ったつもりになるのは避けたかった。準決勝の創価戦の前のミーティングで『早実に勝つためにやっているんじゃない。目標は違うところにある』と話し、相手の分析も普段以上に丁寧に話しました」
――監督は中学教師時代、女子バスケ部の顧問として全国優勝されました。その経験は生きていますか?
「私はバスケの経験がない。実演して見せられない中で、言葉で生徒たちにイメージしてもらうことについては神経を使いました。練習方法にしてもいわゆるセオリーがない中で試行錯誤、さまざまなアプローチをしながら生徒たちが自主性を持ってやることの大切さを知りました。昔は怒鳴ってやらせてというやり方でしたけど、しっかりコミュニケーションを取って人間関係を作ろうと思って動き始めた学年で全国優勝できた。バスケ部時代の指導は私の土台になっています」