馬車馬登板の田原誠次はG由伸監督が頼る“勝利の便利屋”
巨人でフル回転している男がいる。12日のヤクルト戦で田原誠次(26)が、同点の五回1死満塁のピンチに2番手として登板。ここを併殺打で切り抜けると、1回と3分の2を無失点でピシャリと抑えた。一時は勝利投手の権利を得たものの、3番手の高木が打たれて逆転負け。こうなると、田原誠の安定感がますます際立つというものだ。
防御率は4.10ながら48試合目の登板というのが、高橋由伸監督(41)の信頼度を表している。
マシソン、沢村は健在とはいえ、山口は0勝5敗、防御率5.67と不調で「勝利の方程式」から外れている。一時は組み込まれた宮国も離脱した。この日3連投だった田原誠は、過酷といわれる「回またぎ」の連投でもあった。方程式につなぐ役割という名目で、高橋監督が頼りにする、まさに「勝利の便利屋」なのだ。
投手陣を任されている尾花投手コーチは、オフの頃から「(山口、マシソン、沢村の方程式を)脅かす存在を育てないといけないと思っている」と話し、「面白い存在」として田原誠に目を付けていた。
勝っていても負けていても引き分けの場面でも、接戦ならレスキューさせられる。「便利な男」が、かつての山口のように馬車馬のごとく投げている。