「イチローは特別」名将が明かす日本人大リーガーの素顔
――内野安打が多い打撃スタイルをどう思いますか?
「それがイチローなんだよ。それが彼の持ち味なんだ。だからこそ彼は、貴重で、価値があり、評価される。彼はもっと本塁打を打てたのではとも言われるけれど、私は彼のスタイルが好きだ。彼は自分をよく分かっていて、自分が特化したものをとても鍛錬している。そして素晴らしい守備の選手でもある」
――上原(現レッドソックス)が09~11年までオリオールズでプレーしていました。
「浩治のことは大好きだ。彼は今でもボルティモアに家がある。今でも彼とは話すし、彼の奥さんと私の妻も仲良くしている。オリオールズの監督になり、彼を中継ぎで起用し、それが彼にうまくはまった。彼は良き父、良き夫、そして良きチームメート、ピッチャーだ」
――野茂がドジャースでデビューした95年はヤンキースの監督を務めていましたが、印象に残っていますか?
「私はその年のオールスター戦でア軍の指揮を執った。ナ軍の先発投手は野茂で、私はランディ・ジョンソン(当時マリナーズ)をア軍のスターターに指名した。野茂は驚異的だった。日本人投手はメジャーに来る前に日本で腕、肩を酷使してきて、メジャーで思ったほどの活躍ができないこともあるが、野茂の場合はその前にこちらに来ることができた」
(聞き手=米国在住ライター・高木瑞穂)