日本OP初V松山英樹 “ボギー後バーディー狙い”に成長の跡
試合後に松山は「米国でやっている経験が生きたと思う」と振り返った。
松山は13年にプロ転向。ルーキーイヤーに日本ツアーの賞金王になると、14年から米ツアーに主戦場を移している。世界のトッププロと激しい競争を繰り広げて、着実に成長している。それはメジャーで何度も上位争いに加わり、3年連続でトップ30選手だけのプレーオフ最終戦に出場したことでもよくわかる。
9番パー5(551ヤード)では左セミラフから残り232ヤードの2打目を3番アイアンでグリーンに乗せて、このホールは4日間ともバーディーとパワーもけた外れだった。
米ゴルフ事情に詳しいゴルフライターの吉川英三郎氏は、「メンタル面も強くなっている」と指摘する。
「米ツアーにはバウンスバックというスタッツがあります。ボギーをたたいた次のホールで、バーディーやイーグルを奪うことができたかを数値化したものです。松山は14年112位、15年135位と成績が悪かった。ところが16年は30位までアップ。つまりボギーをたたいても攻める姿勢を崩さずにバーディーを狙っているわけです。米ツアーは選手の実力が拮抗しており、優勝争いの最中にボギーをたたいたからといって、守りに入っては絶対に勝てません。日本オープン最終日は7番ボギー、8番バーディー。15番ボギー、16番バーディーとすぐに取り戻している。攻め続ける姿勢を米ツアーで学んだのがよくわかります」
最終日観客数は1万4417人だった。ちなみに2位に終わった池田勇太が優勝した前週大会の最終日は2959人。やはり世界で戦うプロは集客力も違う。