冷静さ保ったハム中田 屈辱の3番大谷敬遠に“怒りの一打”
その屈辱はいかばかりだったか。
25日の日本シリーズ第3戦、日本ハムの4番中田(27)が“怒りの一打”を放った。
1点ビハインドの八回、2死二塁の場面で打者は3番大谷。ここで広島バッテリーは大谷を敬遠し、4番中田との勝負を選択した。大谷はこの日、広島先発の黒田から二塁打を2本打っている。対する中田は直前まで3タコ(1打点)。広島からすれば当然の作戦だろうが、4番打者にとっては屈辱の極み。怒りが込みあげてきたとしても不思議ではない。
だが、打席に入った中田は、初球の落ちるボールには手を出さず、2球目のくさいコースも見送る。3球目の外角のスライダーをフルスイングすると、ラインドライブのかかった飛球に対してスライディングキャッチを試みた左翼の松山が後逸。逆転の2点適時打となったのだ。
どんな強打者でも、頭に血が上った状態では普段通りの打撃はできない。中田は大谷の敬遠中、ネクストバッターズサークルの中でバットに頭をつけてしゃがみ込んでいた。屈辱の光景から目を背けることで、頭を冷やそうとしていたようにも見えた。