両親に宛てた手紙で涙…楽天1位・藤平尚真は心優しき右腕
185センチの大型右腕は東京湾に面する千葉県南部の富津市で育った。市内の吉野小学校1年のときからボールに触れると、6年のとき「ロッテマリーンズ・ジュニア」に入団。このときはエースになれず、中継ぎ投手としてマウンドに立っていた。
富津市立大貫中学校ではなぜか1年時にバドミントン部、3年時に軟式野球部に所属したが、実際は「千葉市リトルシニア」で投手兼サードとしての活動が中心だった。それでも、人並み外れた運動神経は学校中で有名になり、各部活動で大会が近づくと、助っ人としてお呼びがかかったという。陸上部からヘルプコールが起こると、ジュニアオリンピックの走り高跳び部門で190センチを跳んで金メダル(自己ベストは201センチ)。県大会前の地区予選ではハードル部門で優勝した。大貫中学校体育科教師の千艘裕一郎さんはこう話す。
「1年生のときは少しやんちゃな部分もありましたが、2年生からは礼儀正しくて言葉の使い分けもしっかりとできていました。身体能力に関しては他の子よりも頭2つ、3つ抜けていて、スイッチが入ったときの集中力は凄まじかった。努力も怠らない真面目な子でしたね。3年生のとき体育祭の応援団長をやったんですが、その年の夏に侍JAPAN(U―15)に選ばれて公欠したり、歯にウイルスが入って化膿したために入院したりして応援団の練習を休むことも多くあった。それなのに、1回振り付けを見ただけでほとんど覚えていたのには驚きました」