日ハム大谷は大丈夫? マエケンや岩隈はWBC後に“受難”
■想定外の力みが生まれることも
一方で、投手としては懸念がある。日本の公式球よりも大きく滑りやすく、投球時にボールが高めに浮きやすい。低めに投げようとすればするほど前腕に普段以上の力みが出て、やがて肩、ヒジの故障につながったケースは過去にもあった。
ブルペンと実戦では環境も雰囲気も違う。練習では問題がなくても、本番になれば力の入り方も変わってくる。本人の気付かないうちに想定外の力みが生まれる可能性は十分にある。
たとえば、ドジャースの前田健太(28)。広島時代の13年、WBC後の4月に右上腕三頭筋筋膜炎で登録抹消。右脇腹痛なども重なって、交流戦まで復帰と戦線離脱を繰り返した。マリナーズの岩隈久志(35)も、楽天時代の09年のWBC後、シーズン開幕戦で勝利するも59球で降板。その後も100球未満での降板が目立ち、6月末には登録抹消。復帰後も1試合4本塁打を浴びるなど、制球に苦しんだ。
「打感も多少違うと思いますけど、一番は投げる感覚が違うと思います。本格的にはまだ投げていないので、指先から離れる感覚が(日本の公式球と比べて)どれくらい早くなるのか分からない。これからしっかり感覚を掴んでいきたい」と、大谷自身も投球を不安材料と捉えているもよう。WBCのボールに潰されないか、ファンも球団も固唾をのんで見守っている。