メジャー投手全滅 “二刀流”大谷侍Jで負担増にハム冷や汗
■栗山監督の牽制球
そもそも、投打に計算の立つ大谷には、負担が集中するのではないかという懸念があった。日本ハムの栗山監督が昨年、「WBCでのリアル二刀流は無理。こっちから提案します」と発言したのは、小久保監督への牽制球ともっぱら。続けて「(滑りやすいといわれるWBCの)あのボールで壊れちゃう可能性がある。オレは怖くてしょうがない」と投手起用に関しても、配慮を求めた。
栗山監督と日本ハムが最も恐れているのが、大谷のストッパー起用だといわれる。
大谷は日本シリーズ進出を決めた昨季のソフトバンクとのCSで抑え登板。日本最速の165キロをマークした。が、本紙の新春特別号で日本代表の権藤投手コーチと対談した日本ハムの吉井投手コーチは、「あの試合はダメです。1イニング集中で、フォームとか関係なしに、上体の力だけで投げていた。あの投げ方だと近い将来、絶対、大きなケガにつながる。本人も投げ終わった後、『もう、肘、飛ぶかと思いました』と言っていた」と振り返っている。CS以上の注目が集まり、プレッシャーもかかるであろうWBCで、しかも、不慣れなボールを制御の利かない状態で投げたら……。栗山監督の心配はもっともだ。