松井氏もルーキーも不在 由伸巨人2年目は寂しいキャンプ
「リーグ優勝、日本一。この2つの目標を何としても達成する。若手育成のためにも、勝てる体制をつくらないといけない。そのための戦力補強だ」
16日、巨人のスタッフ会議に出席し、こう厳命した老川オーナー。チームには具体的なノルマも課せられた。
防御率3点未満、打率2割6分以上、1試合4得点──。ちなみに、昨季の巨人のチーム防御率は3.45(リーグ3位)、打率2割5分1厘(同)、平均得点は3.62点(同4位)だった。そう簡単にクリアできる数字ではないが、球団からすれば、“それだけの戦力を整えた”ということだろう。
■就任効果なしの観客減
就任2年目を迎える高橋由伸監督(41)は、2月1日から始まる春季キャンプから真価を問われることになるが、力を試されるのはグラウンド内に限ったことではない。
「由伸監督が就任した昨年の巨人主催試合の1試合平均観客動員数は4万1724人で、一昨年の4万2270人から減った。地方球場での主催試合数の問題があるとはいえ、スター選手の監督1年目としては、物足りない数字だったのは確か。キャンプの観客動員でも大きな由伸効果がなかった。球団内には、慎重過ぎる由伸監督の情報発信力不足が原因のひとつ、という分析もあると聞きます。今年は、昨年臨時コーチを務めて話題を振りまいたゴジラ松井のキャンプ訪問もなく、原前監督も巨人の宮崎キャンプではなく、侍ジャパンの宮崎合宿を視察に行く意向を示している。話題になる“ゲスト”がいないため、大補強までしてV奪回に臨むキャンプで閑古鳥が鳴いていたら格好がつかない、という声がチーム周辺からは出ています」(放送局関係者)
史上初のFA3人補強といっても、自主トレから大きな注目を集めているのは、陽岱鋼ひとりだけ。巨人ファンの多くが期待する若手の台頭は、「ルーキー7選手全員二軍スタート」という監督と球団の方針で、キャンプでは話題になりそうもない。由伸巨人の2年目は、なんとも寂しいスタートになりそうだ。