先場所とは別人…5度目休場の鶴竜に問われる横綱の資質
誰も損をせず、四方丸く収まった……と言えば、聞こえはいい。
18日、横綱鶴竜(31)が相撲協会に休場届を提出。医師の診断書には「頚椎斜角筋損傷」「左肩鎖骨関節脱臼」で1カ月のリハビリが必要とあり、自身5度目の休場となった。
仮に鶴竜が出場していれば、この日(11日目)の結びの一番は「5勝5敗の横綱」VS「3勝7敗のカド番大関」という史上最低のものとなるところだった。どちらが勝っても一方は窮地に立たされるのだから、両者ともにさぞやりづらかったはずだ。
それが鶴竜は負け越しがなくなり、琴奨菊も不戦勝で大関陥落が少なくとも1日は延びた。結びの一番で白鵬と照ノ富士が熱戦を繰り広げたこともあり、満員御礼の観客も万々歳だった。
もっとも、負け越しそうな横綱がケガを理由に休場……なんて例は、昔からいくらでもある。師匠の井筒親方(元関脇逆鉾)も「昨日の玉鷲戦の相撲が悪すぎたから。話し合って決めた」と言うのだから、休場するほどのケガではなかった可能性もあるのだ。
問題は鶴竜の相撲内容だ。先場所は14勝1敗で優勝しながら、今場所は金星を3つも配給。たった一場所で別人のように弱くなった。