議論なしで稀勢の里推挙 機能不全“横審”が大相撲を滅ぼす
相撲ファンの菅野宏三氏(ビジネス評論家)がこう言う。
「2場所連続優勝は横綱昇進の基準です。それに準ずる成績というのは、いくらでも解釈を変えられる。会社でいえば、社長になるだけの器と能力がない者がトップになっても、自身も社員も苦労するだけ。対外的にも信用を失い最悪なら倒産です。横審も相撲協会の理事も日本人横綱誕生のムードに流されず、万人が納得する成績で稀勢の里を昇進させるべきです。ひいてはそれが、課題といわれる稀勢の里の心を鍛え、大相撲のよき伝統を守ることになると思う。横綱になれば後戻りはできない。成績が悪ければ引退です。促成栽培のように横綱をつくり、早期に土俵を去ることになれば、大相撲の看板を1人殺すことになる。大きな損失であり、今の相撲人気に水を差す。自分たちで大相撲の首を絞めることと同じです」
専門家も好角家も「時期尚早」と話している。稀勢の里に今後、本当に横綱を張り続けるだけの実力があるなら、2場所連続優勝でそれを証明して昇進させればよい。来場所以降、稀勢の里本人も協会も、こんなはずじゃなかったと、横綱昇進を後悔しても遅い。