W杯総合Vも…高梨沙羅の平昌金に“危険ジャンプ台”の不安
ソチの借りを平昌で返せるか。
18年平昌五輪のテスト大会を兼ねたW杯ジャンプ女子個人第17戦の高梨沙羅(20)は、1回目に97.5メートルを飛んでトップに立つも、2回目は94メートルと距離が伸びず、合計224.9点で2位。男子のグレゴア・シュリーレンツァウアー(オーストリア)が持つW杯ジャンプ53勝の歴代最多勝利記録は持ち越しとなったが、ちなみに、2季連続4度目の総合優勝は決めた。優勝は1回目2位の伊藤有希(22)が、逆転で今季4勝目を挙げた。
この日の優勝を伊藤に譲った高梨は、女子選手の中でも飛び抜けて身長が低い152センチ。それでも女王の座に君臨しているのは、ポーランドの英雄アダム・マリッシュを参考にしているからだという。スキー関係者が言う。
「マリッシュはW杯39勝、総合優勝4回、世界選手権金4、五輪では銀3、銅1などの素晴らしい成績を残したが、男子の中では169センチとかなり小さかった。好成績を出し続けることができたのは、筋力トレーニングで力強い踏み切りを習得したからです。高梨の父は小柄なマリッシュのジャンプを徹底的に研究し、ジャンプ台から飛び出して最高点までのスピードをいかに速くするかにこだわった。そのため高梨は、今でも下半身のトレーニングに力を入れています」