37歳で初賜杯の親方語る 稀勢の里“30歳から伸びる”の根拠
しかし、40歳まで現役を続けた大島親方(元関脇旭天鵬)は日刊ゲンダイの取材に、「今はいろいろなスポーツの平均寿命が上がっている。相撲もそうです」と、こう続ける。
「その理由が食べ物なのか、トレーニングなのかはわかりません。でも、昔は相撲で30歳といったら相当な年齢でしたが、今はそんなことないでしょう。白鵬関だって、32歳です。不知火型は短命だといわれていましたが、優勝37回じゃないですか(笑い)。凄いですよ。つまり、それだけ過去の常識が変わってきているんです。稀勢の里も十分、若い。これからは角界全体で、どんどん年齢が上がっていくんじゃないですか」
かく言う大島親方は37歳だった12年5月場所で、最初で最後の優勝を果たしている。
「僕は31、32歳くらいから、逆に気持ちが強くなっていった。一番の励みになったのは39歳まで現役を続けた魁皇さん(現浅香山親方)。よし、オレもあの年齢までやるぞと思いました。他のスポーツでもサッカーなら(50歳の三浦)カズさん、野球なら山本昌さん(50歳で引退)がいる。彼らのような選手は、僕もそうだったように周囲の励みになるんです」
稀勢の里にとって、自分より年上の3横綱の存在は励みになっているということか。本人の言葉通り、「強くなるのはこれから」かもしれない。