プロ転向の内村航平 新技「ウチムラ」開発を阻む新ルール
日本体操界初のプロ選手となった内村航平(28)。7日に開幕する全日本体操競技選手権大会(東京)では10連覇をかけ、プロとして初めての大会に臨む。
今年3月に所属契約した「リンガーハット」のユニホームもお披露目の予定。リンガーハットとの契約は東京五輪翌年の2021年12月まで。契約金は非公開だが、「(4年10カ月間で)総額4億円の金額に変動はなく、出来高などはない」(リンガーハット関係者)という。内村にとって東京五輪での金メダルは「目標」ではない。頂点が当たり前の「仕事」である以上、出来高を要求するのも難しいのかもしれないが、それではプロとしてモチベーションも上がらないだろう。
残された“希望”は新技「ウチムラ」だ。リオ五輪男子団体金メダルメンバーの中で、技に自身の名前が付いていないのは内村だけ。白井健三、加藤凌平、田中佑典、山室光史はいずれも自分の名前がついた技を持っている。2月には「東京五輪までの道のりの中で、1つくらいは(新技が)欲しい」と開発に意欲を見せていた。
しかし、新技披露を阻むのが今年から変更された新ルールだ。新たなルールでは技の出来栄えと美しさが重視される傾向となり、リオ個人総合銀のオレグ(ウクライナ)がアメリカンカップ2位という結果に、内村は「全体的に点が厳しくつけられている。難しいことをやると崩れる場面があるので、もう少し簡単に、シンプルにしてスコアを出せる構成にしようかな」と語り、技の難度を落として確実にスコアを重ねられる演技構成で臨むという。
10月には世界選手権(モントリオール)もあるが、「ウチムラ」はそこでも日の目を見ないか……。