ハム大谷「太もも肉離れ」を引き起こした“大人の事情”
打者が打って一塁に走るのは、野球のイロハのイ。そんな子供ですら日常的に行っている動作によって、大ケガを負ったのが大谷翔平(22=日本ハム)だ。
8日のオリックス戦で、一塁に走った際、左太ももの肉離れに。復帰まで1カ月半の重症だ。仮にも野球でメシを食っているプロの選手が、走っただけで長期間の離脱を強いられることになった理由は一にも二にも、脆弱な下半身にある。
大谷は右足首痛を抱えていて、栗山監督から全力疾走や右足でベースを踏むことを禁じられていたほど。下半身を鍛えようにも鍛えられなかったことが、今回のケガの最大の原因だ。
昨年の日本シリーズと、直後のWBC強化合宿で右足首痛に。三角骨と呼ばれる余計な骨が、周囲や神経を刺激して痛みにつながった。投手にとって肘の遊離軟骨、俗に言う“ネズミ”のようなもので、手術で取り除いてしまえば完治するし、2、3カ月で復帰できる。
WBCの登板断念を表明したのが2月上旬。大谷にとってWBCは大きな目標だったから、それまで様子を見たのは仕方ないにせよ、断念表明の直後に手術してしまえば、遅くても5月上旬には復帰できた。人一倍、トレーニングに熱心な大谷のこと。下半身に不安がなければ、今回のようなケガは防げたに違いない。要するに、さっさと手術をしなかったことが今回のケガにつながったのだ。