“左おっつけ”使えるのか 横綱稀勢の里「夏場所」への不安
ようやく、決断を下した。
11日、横綱稀勢の里(30)が5月場所の出場を明らかにした。この日は稽古を休み、代わって田子ノ浦親方(元幕内隆の鶴)が報道陣に対応。「出場します。休場はしません。本人と話して、今朝決めた」と、横綱の意思を伝えた。
稀勢の里は先場所、左上腕と左大胸筋を損傷し「1カ月の療養が必要」と診断された。回復具合を慎重に見極めながら、14日初日の5月場所出場の可能性を探っていた。
決断の決め手となったのは、10日の時津風部屋への出稽古だろう。ここで稀勢の里は得意の左おっつけを、負傷以来、初めて解禁した。
田子ノ浦親方は「ファンは横綱の相撲を見にきている」とも話している。横綱の相撲とはすなわち、優勝争い。責任感の強い稀勢の里だけに、それも十分可能と踏んだ上での出場だろう。
■左おっつけ解禁も本場所では封印……
だがしかし、ケガが完治したわけではない。左腕には分厚いサポーターをつけ、10日の出稽古では顔をしかめる場面もあり、対戦した正代も「左腕をかばっているのかな、と感じた」と話している。