評論家が負けパターン指摘 稀勢の里に黒星ラッシュの恐れ
「この日も含め、ここまでの3敗はすべて5~6秒で、直線的な攻めに屈したもの。腰高で、まわしに手が届く前に一気に寄り切られています」
相撲評論家の中澤潔氏がこう言った。
22日、横綱稀勢の里(30)が、平幕の栃煌山(30)にあっさり寄り切られて3敗目。3場所連続優勝が絶望的になったこの日の一番も含め、稀勢の里が負けるときは常に同じパターンというのだ。
「何しろ、あの体ですからね。決着までに時間のかかる相撲に持ち込めば体力勝負となって勝機も出てきますが、直線的な相撲でこられると今後の取組も苦しいと思いますね」とは前出の中澤氏だ。
稀勢の里がこの日までに対戦した力士の最上位は小結。だが、10日目以降は、すべて関脇以上の力士との取組になる。
これまで以上に技もスピードもある連中が果たして、いつも同じ取り口でやられている稀勢の里相手に不覚を取ることがあるのかどうか。
稀勢の里の今場所の勝ちパターンである「体力勝負」は極力避け、電車道ばりのスピード決着をつけようと目の色を変えてくるのは火を見るより明らかだ。
左上腕と左胸の筋肉損傷の影響で、周囲には休場を促す声もあった稀勢の里。ケガを押して強行出場したものの、9日目を終えた現時点で6勝3敗。残る取組の対戦相手を考えれば、今場所は10勝どころか勝ち越しすら難しいかもしれない。