いきなり3時間超の苦戦 錦織が逆転勝利で全仏OP初戦突破
予想外の苦戦だった。
世界ランク9位で第8シードの錦織圭(27)は、1回戦でノーシードのタナシ・コキナキス(21=豪州)と対戦。初顔合わせの相手は15年8月のロジャーズカップで、キリオス(19位)が試合中にワウリンカ(同3位)に向かって「タナシはあんたの彼女(=女子テニスのドナ・ベキッチ)と寝た」と言って罰金を食らった一件の当事者だ。
そんな相手に第1セットを落とし、その後もコキナキスの200キロを超えるサーブと強力なフォアに苦しみながらも3セット連続で奪取。3年連続で初戦を突破した。
例年は全仏の前週は試合に出場せず調整に充てていたが、今年は右手首故障による約1カ月半の戦線離脱があり、復帰後は2大会で計4試合しか戦えなかったため、前週のジュネーブ・オープンに急きょ出場。ベスト4まで勝ち進み、クレーコートでの試合勘を取り戻した。
何かを変えようと、昨年までとは異なる調整を経て、前向きな気持ちで大会に臨み初戦を制した錦織。「心」の不安は消えたが、この先の問題はやっぱり「体」だ。4大大会は5セットマッチ。蒸し暑い前日とは違い、この日は曇り空で涼しかったとはいえ、いきなり3時間(2分)を超えるゲームで体力を消耗した。