「GM交代よりコーチ配転を」 巨人“最大の病巣”をOB指摘
GMとは本来、監督、コーチ、選手らの人事権を持ち、ドラフトやトレードなどチームづくり、編成面の最高責任者である。しかし、巨人の場合はそうではない。チーム低迷の大きな要因とされる陽岱鋼、山口俊、森福の3人を総額27億円で獲得したオフのFA補強の失敗にしても、渡辺恒雄読売新聞グループ本社代表取締役主筆(91)が昨夏に「やっぱりこれはね、由伸(高橋監督)の責任じゃないからな。フロントだよ。補強してないんだから。こんな補強せずに、今の陣容で勝てったって無理だよ」と大号令をかけたのが発端である。
球団内には「堤GMは昨年から三軍を立ち上げ、今年からスカウト体制も一新している。育成に目を向け、巨人が弱いと指摘されている部分にメスを入れてはいた。今は結果が出ていないけど、せっかく進み出したGMの改革事業が一時、もしくは全面ストップする可能性があります」と懸念する声も上がる。
前出の高橋氏が続ける。
「三軍の育成体制が一軍に波及するには、少なくても3年から5年は時間が必要。それを現GMは就任から2年ではしごを外された。巨人で初めて選手出身の鹿取GMが誕生するならOBとして期待する。しかし、彼のキャリアを生かした権限を持たせることが成功の第一条件でしょう。親会社は口出しせず、新GMに長期的な視野でチームづくりを任せられるルールが必要です。今のままでは結局、誰がGMをやっても同じことですから」
最大の病巣はどこにあるのか。巨人の人間はみんな知っている。