「差は今後も開く」 広島独走に巨人OB高橋善正氏が嘆息
「あとはうちの厳しい練習に耐えられるだけの体力と根性があるかも重要視する。これまでフィーバーを起こした人気候補が何人もいましたが、うちは人気に流されることはありません。補強ポイントに合った選手で実力ありきが大前提です」
■安易な強化策で巨人はじわじわと腐っている
スカウティングと育成が好循環で回っているから今の広島は二軍も強い。2日現在、ウエスタン・リーグの首位。別の球団関係者が話を引き取る。
「昨秋のドラフトで指名した6選手中、高校生は4人。現段階での有望株は、4位の坂倉(19=日大三)です。ウエスタンの打率2位と安打を量産していて、鈴木誠也の1年目より成績が良く、三振が少ない。いずれは正捕手を狙う、誠也に続くブレーク候補筆頭です。高橋昂(18=花咲徳栄)、アドゥワ(18=松山聖陵)、長井(18=つくば秀英)の3投手も順調。6位の長井はすでに150キロを計測しています」
そこへいくと巨人はどうだ。OBで評論家の高橋善正氏が嘆息する。
「広島と比較すると、巨人に対する危機感を覚えずにはいられません。チームづくりをFA補強と即戦力ドラフトに頼った結果、チームの根幹を担うべき育成がボロボロになった。人を育てる意識も力も失い、それをまた補強でカバーしようとする悪循環。スカウトの眼力、二軍以下の指導者の能力もこれでは衰えていく一方だと思う。広島のように、きちんとした目利きがしっかりとした素材を仕入れ、それを腕利きの料理人が調理して客に出すという循環は、今の巨人がやろうと思ってもとてもじゃないが一朝一夕にはできない。広島との差は今後、開く一方という気がします」