レスリング世界選手権 吉田&伊調不在で海外勢が虎視眈々
日本の得意階級がピンチだ。
レスリングの世界選手権(パリ)が21日に開幕する。今大会には前回のブダペスト大会まで13連覇した女子53キロ級の吉田沙保里(34)、過去10度の優勝を誇る58キロ級の伊調馨(33)の女王2人が、昨夏のリオ五輪を最後に休養しているため、出場を見送った。
吉田と伊調の階級(変更前の55キロ、63キロを含む)は、これまで絶対女王の2人と対戦するため、海外勢は敬遠してきた。五輪(6階級)とは異なり、世界選手権は計8階級で争われるため、本来は吉田、伊調と同じ階級の選手は1階級上げたり、逆に下げることで対戦を避けるケースが少なくなかった。
海外勢にとっては、霊長類最強の女子2人が不在だけに頂点に立つ絶好のチャンス。これまで五輪非階級の55キロ級、60キロ級の選手がこぞって、53キロ級と58キロ級に鞍替えする。
53キロ級には、2012年カナダ大会48キロ級覇者で今年の欧州選手権を制したワネサ・カラジンスカヤ(24=ベラルーシ)、昨年のブダペスト大会55キロ級3位のオトゴンチェチェグ・ダバースク(26=モンゴル)らがエントリー。一度は63キロ級に階級を上げながら、今大会は58キロに戻したアフリカ王者のマルワ・アムリ(28=チュニジア)らの強豪が出場選手に名を連ねている。
53キロ級には昨年の世界ジュニア選手権を制し、吉田の後継者と期待される向田真優(20)が出場する。海外勢の猛攻をしのいで、吉田の連覇を引き継ぎ、金メダルを独占してきた階級を守れるか。