4番不在も失速せず 広島「つなぎ野球」の徹底で好調維持
「4番欠場」――。これはすなわちチーム力の低下を示す。
首位を走る広島は、23日のDeNA戦で4番の鈴木誠也(23)が右足首をひねり、昨29日に手術。「右脛骨内果骨折」と「三角靱帯損傷」で全治3カ月と診断され、今季絶望となった。
空いた4番のイスには新井貴浩(40)と松山竜平(31)が“手分け”して座っているが、鈴木の離脱後でも3勝2敗。主砲不在でも5試合で26得点(1試合平均5・2得点)と確実に点を取っている。昨29日の巨人戦で今季2度目の4番を務めた松山はこう話す。
「誠也が4番にいたときも今も、とにかく次につなぐという意識でやっているので、もともと『4番に頼る』という感覚でやっていない。状況にもよるけど、『4番=ホームランや長打』という考えでやっていないので、やることはそこまで変わらないんです。点はしっかり取れている。(25日の中日戦で4番に座ったとき)新井さんは『新4番に任せよう』と言って和ませてくれるので、4番でもやりやすいですね」
そもそも広島は「4番=大砲」という考えで打順を組んでいないということだ。もっか27本塁打で大砲であるはずのエルドレッド(37)を4番に据えないのも、つなぐ野球を徹底するためだ。安部も「誠也の代わりはいない」と言いながらも、「みんなでカバーするという意識はこれまでもこれからも同じ」と言う。