世界選手権で躍進 “柔道復活”の秘密と世界連盟の嫌がらせ
柔道の“ID化”にも力を入れた。全日本柔道連盟科学研究部を中心に約1万試合のデータを収集、分析して国内外の強豪選手を数値化。選手個々の弱点、技の比率やポイントを取った時間帯、国際試合を担当する審判の傾向まで調査対象にして、情報を共有するようになった。
それが、15年の世界選手権(カザフスタン)で金8、銀4、銅5の躍進につながり、昨16年のリオ五輪での金3、銀1、銅8と復活の足掛かりになったのは確かだ。
気の早いスポーツマスコミは例によって「お家芸復活」「最強ニッポン」「東京五輪でもメダルラッシュ」と大騒ぎしているのだが、今大会の結果は信用していいのか。辛口の柔道関係者に言わせれば、男子が全階級でメダルを獲得したリオ五輪の結果も、
「前年のカザフスタンでの世界選手権と比較すれば、リオでの男子の金2個は後退したともいえる。ライバル国に研究された結果でしょう。五輪翌年の今大会にしても、強豪国は世代交代の時期でトップ選手も調整段階。五輪は別物と考える必要はある」
と言う。