世界選手権で躍進 “柔道復活”の秘密と世界連盟の嫌がらせ
「個人戦での7個の金メダル獲得は評価できますが、今大会の結果は決して手放しで喜べるものではありません」と柔道ライターの木村秀和氏がこう続ける。
「100キロ級で優勝したウルフ・アロンはともかく、男子は81キロ級以降、女子は重量級に不安を残しました。特に優勝が確実視された81キロ級の永瀬(4回戦敗退)、100キロ級の羽賀(2回戦敗退)、女子78キロ級の梅木(銀メダル)の前回覇者3人が勝てなかったのは厳しい。永瀬は完璧な組み手にこだわり過ぎて技が繰り出せずに最後は右膝を負傷して反則負け。梅木にしても決勝では左のつり手が取れずに、相手にことごとく崩された。今の柔道では早く仕掛けて、組み手が不十分でも技が繰り出せないようでは世界では勝てない。73キロ級金の橋本は5割の組み手でも技を決めていた。東京五輪で全階級メダルを狙うのであれば、もう一度、重量級の分析、対策が必要だと思います」
しかも、山下会長が「日本の活躍だけが目立った」と自画自賛した今大会の結果を受け、国際柔道連盟(IJF)は今季から試験的に導入した新ルールを改正する可能性も指摘されている。