寮生活からメジャーへ 大谷が直面する「食と移動」の不安
■イチローも松井も“食”で苦労
日本人選手が初めて渡米したとき、最初につまずくのは食だ。現地で調達できるのはタイ米かカリフォルニア米がほとんど。日本産の良質な米は、まず手に入らないという。
味噌を含めた調味料の類いが調達できるのは、主に韓国系の食材を扱う小さなスーパーになる。現地特派員の話。
「ただ、冷凍食品も含めて賞味期限切れが珍しくありません。しゃぶしゃぶやすき焼き用の薄切りにした冷凍の牛肉や豚肉もあるにはあるが、明らかに冷凍焼けしてパサパサですからね。新鮮な肉や魚は大型スーパーで手に入りますが、そういった店では肉にしてもいかにも米国仕様といった感じのデカい塊しか置いてないのです」
イチローはオリックス時代、マリナーズのアリゾナキャンプに参加。スペアリブにあたってひどい下痢をした。それから米国での食生活には慎重になったようで、遠征先では特に気を付けるようになった。あるとき焼き肉店へ。メニューにレバ刺しがあったが、店員に新鮮かどうか3回聞いた揚げ句、注文しなかったという話もある。