先輩のヤジに「無理っス」 日ハム清宮は“鈍感力”も武器に
沖縄入りしてからも、同様だ。90メートルダッシュを往復8本という強化メニューが課されたときは、清宮だけ、なぜか6本で終了。それでも青息吐息で、アゴを出していた本人に、周囲から「おまえ、なんで6本なんだよ」とヤジが飛ぶと、「いえ、ぼくのところだけ6本と書いてあったんで……」と、平然と返し、「もう2本走ってこい」と言う先輩からの声に取り合わず、「いやもう、無理っス」と、その場にへたり込んでしまうといったアンバイだ。目上の選手の前でもオドオドしたり、顔色をうかがうようなところがまったくないのである。
この日の走塁時、ぬかるみに足を取られて転んだように、グラウンド内で鈍くさいのは困る。しかしマイペースは、言い換えれば周囲に惑わされないということでもある。
試合後は、「いつも通り、だったかな。ボールへの対応? 悪くありませんでした。足が滑った? 滑りました……」と照れ笑い。
泰然自若とした態度は今後のプラスになる。